紳士考。Gentleman考。
アルゼンチンにいると自分がお姫さまか何かになったような気分にさせられる時がある。レディーファーストといえばいいか、女性の扱いが上手いといえばいいのか、男性は女性を大事にしてくれる(時にはその限りではないかもしれないけど・・・)。エレベーターに乗り込む時は「お先にどうぞ!」。車に乗るときは、ドアをあけてくれて閉めてくれる。フレド(アイスクリーム屋さん)やスタバのようなコーヒー店に入って、注文しようとカウンターに立っていると「注文をして席まで持っていくのは男の役目だよ」と席で待っていてくれと言う。スーパーに買い物に行ってもカートを押し、買い物した買い物袋を持つのは男性のようだ。
一昨年の暮れせっかくブエノスに来たのでということで、センスの良いボルテーニャ(ブエノスアイレスっ子の女の子)たちに付き合ってもらってショッピングモールで洋服を十数点買った。彼女たちは「esta si? esta no?」と次から次へと、フィッティングルームにいる私に洋服を持ってきては聞く。私は着せ替え人形のようにあっちを着たり、こっちを着たりしながら・・・・そしてその間、一緒に行ったボルテーニョ(ブエノスアイレスっ子の男の子)は店の外でひたすら待ってる。さらに、買い物を終え紙袋をたくさん手にしたわたしが店を出ると、彼らがそれらをぜ~~んぶ持ってくれると言う。「あんなに長い時間待たせた上に、こんなにたくさんの荷物(しかも私の)を持たせるなんて~」と言ったら、「これがアルゼンチンの男性の宿命なのだよ!」との返事。結果私は何も持たずボルテーニャたちと“カラ手”で次の店へ歩いていった。(後ろから荷物をいっぱい抱えた男の子達をしたがえて・・・)
また友人から聞いたエピソードをひとつ。ブエノスアイレス市内のサンタ・フェ大通り。そこは道幅も広いが歩道も広く、大手を振って歩けるような道だそうだ。ある時その“歩道”を歩いていると、向こう側から年配のご婦人が歩いてきた。お互いに行き交おうしたその時、友人は《彼女の右側を行こうか左側を行こうかと迷って建物側を通り過ぎた》そうだ。すれ違ったその瞬間オバアサンがなにかブツブツ言ったので、友人はぶつかったか何か失礼したのかと思って「何か失礼しましたか?」と振り返って聞いたところ、そのオバアサン「あんたは、女性の私に車道側を歩かせ、自分は男のくせに建物側を通っていった。」と言って怒ってるというのだ。もちろん歩道の上の“車道側と建物側”の話し。友人は「はっ?」とその言葉にあきれ返り、逆にすてゼリフを吐いたとか・・・(苦笑)。
それでも今のアルゼンチンではだんだんとその男性も女性も関係なくなってきたと聞く。
日本では逆の意味での男女共同参画とか男女雇用機会均等などの言葉があるが、たまにはこういう風にお姫さま扱いされるのも気持ちが良いものなんだけどなぁ~などと密かに思ったりしている(笑)。
| 固定リンク
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 独立記念日(2016.07.11)
- ボカとサンテルモ(2016.06.27)
- 4連休(2016.06.22)
- 秋晴れのLa Plata(2016.06.05)
- 水郷ティグレ(2016.06.04)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント